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°辉二泉同盟°【日文同人】合集 [14篇][CP:二泉]

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1楼2012-08-30 18:57回复
    《君への応援二泉デーズィさま》
    早起きしたのに全然时间が足りない。
    授业中の长くて退屈な时间を回したいくらいだわ。
    女の子が大势いるとは思うけど、辉二を応援する気持ちは谁にも负けない。
    「行ってきまーす!」早めに着きたいけど、荷物が荷物だから走れない。
    せいぜい早歩きがいいところだ。「辉二ー!」「泉」试合前の集中している真剣な表情。
    これがまたかっこいい。
    こう言うと友达にはまた始まった…と呆れられる。
    だってかっこいいのは事実なんだもん。
    「辉二……もしかして、紧张してるの?」「…もしかしなくても、だ」适度な紧张は必要だって拓也が言ってたっけ?
    それなら… 「辉二」「うわっ!」いきなり抱き付いたからちょっとよろけたけど、倒れはしなかった。
    いつもより间隔の短い鼓动を刻みながらも、辉二はゆっくりと背中に腕を回してくれた。
    伝わる鼓动が徐々にゆったりしたものになっていく。
    「…ありがとな、泉」さっきとは比べものにならないくらい大人な声。
    髪を梳くように抚でる大きな手。
    それだけで、今度は私の鼓动が小刻みになる。
    まるで、移ったように。「じゃあ、行って来る」しばらくして离れると、额をこつんと合わせ、辉二は控え室に向かった。「试合、楽しみにしてるからね!!」辉二は振り返らずに、片手を挙げて応えた。
    さあ、私も客席に行っていい席取らなきゃ!
    応援が1番届く席を。 デーズィ様に「二泉/辉二の部活の応援に来た泉」とリクエストしたところ、こんな素敌なものをいただきました!
    泉ちゃんの荷物は手作りお弁当だそうで、そういう细かいところから可爱らしくて仕方ありません!
    素敌な小说、どうもありがとうございました!
    


    2楼2012-08-30 18:58
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      《君からの手纸・そしてさよなら》
      俺は别れるという事を忘れていた???。いつも通りの帰り道。
      同じ中学に通っている俺と泉は毎日一绪に登下校していた。
      ???と、いつもならぺちゃくちゃ一人で喋る泉が、
      今日は珍しく大人しいことに俺は気づいた。
      「どうしたんだよ?なにかあったのか?」
      泉は、その言叶を闻いて惊き、こっちを向いて、
      「なんでもないよ。」
      と、いつもの笑颜で言った。
      结局、お互い无言のままバイバイするのであった。次の日、珍しく泉が先に待ち合わせの场所へ来ていた。
      今日は别に、学校で特别な事もないのに???。
      泉はどこか寂しげな表情で颜をうつむけていた。
      「泉。?
      俺が声をかけても反応がない。
      「泉!?
      「あっ???辉二君???。」
      少し大きな声で呼ぶと、少々惊いた様子でこっちを向いた。
      「どうした?昨日からなんか変だぞ??
      「ううん!なんでもないよ~。さっ!早くいこ!」そして学校へ行く。「じゃあな。」
      「うん???。」
      クラスが违う俺たちは、それぞれの教室に别れて入る。この顷の俺にはまだ知るはずのないことだった
      别れが迫っている事なんて思いもしなかったキーンコーンカーンコーン终わりのチャイムが鸣った。
      俺のクラスはすぐに终わり、泉のクラスの前まで来た。
      ちょうど泉のクラスも终わっていて、俺は泉が出てくるのを待っていた。
      今日はやけに騒がしい。
      何かあったのかと思い、泉のクラスを覗いて见る。
      その时、泉が出てきた。
      「あっごめん。今日ちょっと残らなくちゃいけないんだ。だから先帰ってて。」
      「分かった???。?
      そう言って俺は歩き出す。
      「辉二君!ちょっと待った!」
      ???と、泉が走って俺のところまで来た。
      「これ。」
      それは一通の手纸。
      「家で読んでね。?
      それだけ告げて、泉は教室へ戻っていった。俺は早足で家に帰り、自分の部屋に入った。
      制服を着替えずに、泉からもらった手纸を开けて、早速読んでみる。
      『辉二君へ』そういえば、泉からはじめてもらうな。手纸。『いきなりの手纸でごめんね。』ほんといきなりだよな。『実は言いたい事があったんだけど、直接言いにくいので手纸にしました。』言いたい事?『実は私、明后日また、イタリアへ戻る事になりました。』えっ????
      『ずっと前から决まってたんだけど、辉二君だけには言いにくくてこんなに遅くなってしまいました。』
      嘘だろ????
      『3年くらいイタリアにいるそうです。』
      3年???も?
      『もっと早く言えばよかったなぁといまさら后悔してます。ごめんね。』
      何でもっと早く気づかなかったんだろう???。
      『でも、また会えるからいいよね。』
      よくねぇよ???。
      『それともう一つ、言いたい事がありました。』
      もう???一つ?
      『ずっと辉二君のこと、好きだったよ。』
      えっ???。
      『それじゃあ。いきなりの手纸でごめんね。』
      ???。
      『泉より』
      何の言叶も出てこなかった。
      いきなりの手纸。别れ。告白。
      惊きと悲しみと切なさと嬉しさでよく分からない気持ち。
      出てきそうで出てこない涙。
      别れというショックから立ち直れず、俺はずっと部屋にこもっていた。
      次の日の朝。
      俺はかなり早く家を出た。
      二つの告白も気になっていたんだが、なにより、今は泉に会いたかったからだ。
      どうせ泉も早く来るんだろう。そう思っていた时、ちょうど泉が来た。
      「早いんだね。?
      「おまえもな。」
      そして重苦しい空気が二人の间に流れ込む。
      「なぁ、いつもの待ち合わせより1时间も早いしさ、ここで少し时间つぶそうぜ。」
      「うん???。」
      「昨日の手纸、惊いた。何でもっと早く言ってくれなかったんだよ。イタリア行くって。?
      「だって???。」
      その后、また沈黙が続いた。
      泉は泣いていた。
      今思えば、一番悲しいのは一番つらいのは泉じゃないか?
      友达と别れ、この街?この学校とも别れ、家とも别れ、俺と别れてイタリアへ行く。
      こんな悲しい事が何で泉に起こってしまうのか?
      「だって???辉二君???だから???言いにくかった???んだよ???。
      辉二君???が???好き???だから???言いにくかった???んだよ。」
      途切れ途切れの言叶で、泉は精一杯の気持ちで言ったんだろう。
      つらいけど、ほんのちょっと嬉しかった。
      「俺の気持ちは???。また次、会った时に言う。ちゃんと帰ってこいよ。」
      「うん。手纸书くね。?
      「あぁ。」 远い远いイタリアへあいつは行ってしまうのか でもいつか会える 俺はそう信じてる


      3楼2012-08-30 18:59
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        《はじめての初恋》
        初恋は、うんと素敌なものだと思ってた。  うんとカッコよくて优しい人に恋をして。
         そしていつか结ばれて。
         うんとうんと、幸せになるものだと―――思ってた。
                                                                     はじめての初恋 「??????」
         泉はゆるゆると颜を上げた。 その视界に映るのは、一匹の白银の獣の姿。  獣は悬命に周囲の壁を駆け上がっては落ちて、を缲り返している。 周囲にそびえる壁は高く険しい。 三角飞びの要领で壁を蹴って跳跃を缲り返し駆け上がっても长くは続かない。 大抵は三回ほどを缲り返したところで失速し、落下した。
         駆け上がり、そしてまた落下する。 白银の獣はそれでもその行为を缲り返していた。  ずん。
         大地を微かに揺らし、また獣が落下してきた。 上手に受身を取るものの、同じ行为の长い缲り返しでその动きにはかなりの疲弊が窥われる。 しかし獣はやはり谛めない。 すぐさまに立ち上がると、再び跳び上がる体势を作った。
         ――その、颜を上げた獣の前に泉は立つ。  白银の獣は少女に気付き、颜を下げて口を开いた。「泉、もう少し待っていてくれ。今度はもっと高く跳んでみる」
         獣の声には少女への気遣いが含まれている。 泉にもそれは伝わった。 だからこそ、獣の前に両手を开いて立ち塞がるのだ。 「辉二、もういいわよ!」「泉????」「もういいから、少しは休んでよ!」 少女の言叶に、獣は意図を掴みかねるように首を倾げる。 そんな獣に向かって泉は続けた。
        「さっきから跳びっ放し、そんなんじゃ辉二の体が持たないわよ。大分疲れてるの、私にも分かるんだからね!」 心配から口调がやや険しいものになっている。 怒鸣り付けたい訳ではない。 思い直して、今度は口调を和らげて言った。 「???ごめん。ちょっとイヤな感じだった???」「泉――」「でも、ほんとよ。辉二、お愿いだから休んで」  白银の獣――ガルムモンが泉の颜を覗き込むように体を倾げた。 泉は、その体を抚でてやるようにそっと触れる。 触れた手から伝わってくるのは生命体とも机械体ともつかぬ硬质の手触りと???よく知れる少年の温かさ。
         ガルムモンは、その抚でられる感触に目を细め????。 しかし、首を横に振る。「泉???もうすぐ日が落ちる、そうしたらこの中は暗暗に包まれてしまうんだ」  ふい。 体の向きを変える事で、少女の手から逃れて。 再び獣は上に视线を投げる。 「だからその前に、ここを抜け出さないといけない」「でも、辉二???!」「泉。???大丈夫だ、もう少しだけ待っていてくれ」
         一度、泉に视线を向け。 表情は変わらないが多分、彼が笑ったのだという事が泉には分かった。
         きゅう、と胸が缔め付けられる思いがした。  それ以上泉は何も言えなくなる。 辉二はそんな泉を见て、それから颜を上に戻す。 见つめるはるか上方にはぽっかりと空が见えていた。 まるで黒い暗の中に切り取られて贴られた景色のような空は、今は真っ赤な夕焼けに染まっている。 夕焼けの色は浓く、これからすぐに日が落ちてしまう事は谁の目にも明らかだった。  ガルムモンが再度跳跃の体势を取る。 そして、强く地面を蹴り――高く空へと向かって跳び上がる。
         泉は、何かを????何かを祈るような気持ちで、その姿を见つめていた。
        


        4楼2012-08-30 19:00
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          次の街へと向かう森の中、今夜のキャンプの为に子供达は各々食料を探しに向かった。 泉と辉二は水汲み系。 组み合わせについて纯平が文句を付けようとしたが、その前にさっさと辉二は泉を先导するようにして歩き出していた。 残された纯平のやっかみの声を背に受けながら。
           辉二が耳を澄まして水音を辿る。 二人は难なく水场に近付いていた。 前方に川が见えてきた时、駆け出したのは泉。 少しでも早く一日中歩き通しで疲れた足を水に浸し、乾いた喉を水で润したかったのだ。
           郁苍と草が被った草原を越えれば、川はすぐ目の前。 ――その草原に异変を感じたのは辉二。 「泉!」 声を上げるが、それは间に合わなかった。  「え???っ?」 辉二の声に振り返って。 草原に立った泉の体が大きく倾いて???そして、落下する。 割れた地面が彼女を呑み込んだのだ。 「きゃあああ――っ!」  「泉っ????!」 少女の悲鸣が响く中、辉二も割れた地面の中に体を跃らせていく。 既に、その手にはデジヴァイスが握られていた。  结局、ヴォルフモンに进化した辉二が落下途中で泉の体を捉えて着地し、事无きを得た。 そして二人が落下の末に降り立った场所――それが今二人が必死に抜け出そうとしている穴の中なのである。
           自然に出来たものなのか、人工的に作られたものなのか。 造形的に见れば自然のものだろう。 でも、その大きさといい深さといい、脱出困难な状态といい作为的なものが感じられないでもない。 幸いに罠が仕挂けられているとか何かの巣であるとかそういう事はなかったが、二人は穴の底に闭じ込められてしまった状态だ。
           ついでに言うと、日が落ちる时间も差し迫っている。 光源ははるか上空にぽっかり空いた穴の口の外から见える日の光だけ。 その日が翳ってしまえばたちまちの内に穴の中は暗暗に包まれてしまうだろう。 脱出も更に困难になる事请け合いだった。


          5楼2012-08-30 19:01
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            ガルムモンは壁を蹴って、穴の上の方まで上り诘めている。 泉は首を伸ばして彼の姿を视界に収めつつ、自分の迂阔さ加减を呪っていた。
             ――っ、私のバカっ。私さえ、あんな所でデジヴァイスを落としてなかったら????!  落下の拍子に泉はデジヴァイスを落としていた。 多分、穴の口付近に主の手を离れたデジヴァイスはぽつんと転がっているはずだろう。  ――デジヴァイスさえあれば???私がフェアリモンかシューツモンに进化出来れば、辉二にあんな苦労挂けないで済むのに!
             励ますようにガルムモンの姿に视线を送り、それから泉は穴の入り口を睨んだ。 呼んでくるようなものなら今すぐデジヴァイスをこの手の中に呼び寄せたい。 そうしたらすぐにでも辉二も自分も助けられるのに。  ――????ううん、违うわね。  睨むのを止めて、小さく溜息を吐く。 もっと问题が根本的にあった事を思い返したからだ。 デジヴァイスを落とすより先に、落とし穴に嵌ってしまったのは自分だという事を。
             辉二は泉を助けた。
             そして今も泉を助けようと、跳跃を続けている。  必死になって。 「????辉二???」  思いを―――。 想いをそっと、抱き缔めるように。  锐く优しい眼差しの少年の???名を呟いた。  日が???差し込んでいた最后の日が、ふっと消えた。
             薄暗に沈んでいた视界が一瞬にして真っ黒に染まる。 穴は完全に暗の中に沈黙した。 周囲に深い暗が満ちているのを感じる。  ――????真っ暗???本当に何も见えない????。  泉は首を巡らせて、こくりと息を呑んだ。
             穴からの脱出が适わないまま、时刻は夜を迎えていた。 辉二が言った通りに二人が伫む穴の中はすっかり暗暗に沈んでしまっている。 唯一の光は高く空に上る星の辉きなのだが、深い穴の底にはその辉きも仅かにしか届かない。 手を颜に近付けたら、ようやくその轮郭が分かるくらいだった。  乞うように空を见上げる泉。 しかし小さな空は、今はあまりにも远い。
             暗暗の中に辉二を探す。 姿は见えないが、息遣いで彼が傍にいる事を确认出来る。「辉二、大丈夫?」「ああ。泉は大丈夫か?」「ええ、大丈夫よ」
             体力の続く限り几度となく缲り返した跳跃のせいで、辉二はかなりの疲労を受けていた。 不甲斐无いと心の中で自分を叱咤しつつも、他に手段も见付からなかったのだから穴に落ちた状态のまま夜を迎えるしかなかった。 まだ息が荒い。 呼吸がなかなか落ち着いてくれない。
             それでも「大丈夫」と返って来た泉の言叶に安心して。
            


            6楼2012-08-30 19:01
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              泉はその场にぺたりと腰を下ろした。 真っ暗だし何も见えないし何も出来ないし、立っていると无力さが余计に募ってくるようで。 仕方ないけれど今は体力を温存しつつ仲间の助けを待つしかない。 いつやって来るかも分からない助けを待つ、言うならば持久戦だ。
               ――拓也、纯平、友树、ボコモン、ネーモン???皆心配してるかしら????。
               顺缲りに仲间达の颜を心に思い浮かべる。 すると、今この场に彼らがいない事を否応なく再确认させられ、心细さが増した。
               デジタルワールドにやって来てから、泉は初めて“真っ暗な暗”というものを知った。 普段泉达の暮らす世界には夜だって光がある。 电灯の光、街头の光、街の明り、店の明り――どんなに夜が更けても、人间达の暮らしの中から光が消える事はない。 それがデジタルワールドで旅を続け、山や森の中でキャンプを缲り返す度に“真っ暗な暗”を身を持って知る事になったのだ。  勿论光が全く差さない完全な暗は怖い。 纯粋な恐怖が呼び起こされる。
               でも、それでも、恐怖も不安も仲间达の心强い存在によって打ち消されてきた。 どんなに真っ暗な中だって少し手を延ばせば皆がいる???そう思うと泉の恐怖心も不安も消えていった。  今は、仲间达はいない。
               膝を抱えるようにして体を缩込める。 寒くはないはずなのに、寒さを感じて????少しでも両腕で体を抱き缔めようと。  暗が少女の心を圧迫していく。 暗の中に沈めてやろうと、その心に圧し挂かってくる。 暗に満たしてやろうと覆い被さってくる。
               心细くて。  寂しくて。  不安で。  怖くて。
               悲しくって。
               泉は、ぎゅうっと自分で自分の体を抱き缔める。
               この暗暗の中に一人ぼっちのような気がして―――。 そしてそれは永远に続く孤独のようにさえ思えて。
               心细くて寂しくて不安で怖くって、???悲しくて????。
               ――ふと、背中に辉二の気配を感じた。  すと。
               泉のすぐ背后で、辉二が腰を下ろしたのが分かる。 「こ、辉二?????」
              「大丈夫だ、泉。――俺がここにいる」  声がすぐ后ろから返ってくる。 背中に、温かい背中が触れた。  ――????辉二????。
               背中越しに伝わる体温が温かい。 温かさで、今自分の傍らにいてくれている少年の存在を确认出来る。 温かさがそっと???泉の心の中に満ちていく。


              7楼2012-08-30 19:01
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                 心の中で形になり挂けていた暗暗――黒いもやもやしたもの。
                それが温かさに溶け、ゆっくり消えていく????。
                泉の心から消え去っていく。
                 そんな、イメージ。
                「????俺が傍にいる。泉は一人ぼっちじゃない」
                 少年の手が、そっと――踌躇いがちに延ばされた。
                気付き、手を取ったのは少女。
                 辉二の手が惯れない様子で泉の手を握った。
                力加减が分からないらしく、优し过ぎるほどに优しく。
                まるで壊れ物を扱うように握り缔める。
                ―――不器用なその优しさに泣きたくなった。
                 でも、泣きたくなんてないから。
                 泣いてしまう代わりに、笑って。精一杯笑って。
                返事をするように辉二の手を握り返した。
                素敌、とは言い切れないかもしれない。
                オシャレともカワイイとかとも无縁な気がしている。
                カッコよくいかないかもしれない。
                不器用で、なかなかパッとしなくって。
                ストレートには行かない。
                これ决定。
                素直になれずにいつまでたっても気持ちを伝えられないかもしれない。
                结ばれて幸せになれる日なんか、想像も出来ない未来。
                 ――それでも自分の想いを抱き缔める。
                 これは自分で见付けた、世界中でたったひとつの????とびっきりの初恋なのだから。
                「――辉二????」
                 好き。
                名前を呼んで。
                その言叶は伝えない。
                 背中を背中に预ける。 少年の肩に、少女の金の髪が流れた。
                 金の髪が少年の视界の中で微かな金色の光を持って辉く。
                 ――少女の頬が少年の冷たい頬に触れた。
                


                8楼2012-08-30 19:03
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                  嬉しくって。
                   嬉しくって、くすくすと笑う。
                  「????泉」
                  名を呼んで。
                   大切そうに、今は自分の背中に身を预けている少女の名を呼んで。
                   辉二もまた微笑んだ。
                  辉二の背に持たせ挂けたまま、泉が空を见上げる。
                   辉二もそれに仿って空に首を巡らせる。
                  「????あっ、これ泉ちゃんのデジヴァイスだ!」
                  「本当だ! どうしてこんな所に???」
                  「纯平、友树! 足元に気を付けろ、穴が开いてるぞ!」
                   空を见上げる二人の耳に、仲间达の騒々しい声が降ってきた。 【END】
                  当时、何だか急に书きたくなって一気に书き上げてしまった作品。
                  これだけの文章量を一気に书き上げてしまうのは超遅笔の私にはひどく珍しい事です(笑)。
                  その分辉二泉への爱が込められているかと。
                  そして泉→辉二に见せ挂けて、実は辉二→泉です。
                  一応今回は“カッコよく、不器用に优しい辉二”を描きたかったらしいですが???文章力が足りない事この上ない。
                  いつ顷を想定した话なのかはちょっと不明ぽいですが、まだダブルスピリット进化は出来ない顷、とだけ(ぇ)。


                  9楼2012-08-30 19:03
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                    《止まらないドキドキ 》
                    今日もいつもどおり歩きつづけていた5人と2匹。
                    そんな平和な日も长くは続かなかった???。
                    今日という今日は一生で一番最悪な日になる事も知らずに???。 やっぱり歩きつづけていた。
                    どこまでもどこまでも森のターミナルが见えてくるまで。ずっとずっと???。
                    いつもいつもケルビモンの影响で悪くなったデジモンたちと戦いながらも
                    少しずつ少しずつ进んでいくのだった???。 「なぁ~!もう俺疲れちまった!この辺で休憩しようぜ」
                    そういって弱音を吐くのは纯平だった。
                    最初、1番张り切っていた纯平は、もう半分死にかけているような状态だった。
                    「仕方ねーなー。このへんで野宿でもするか!」
                    リーダーのように仕切っていたのは拓也だった。
                    「そうね~。私ももう疲れちゃったし。?
                    「俺も别にどっちでも???。?
                    そういってその场にしゃがむ泉と无爱想な返事を出す辉二。
                    「お腹すいた~。。?
                    そういってきょろきょろと食べ物を探し始める友树。
                    あんなこんなで野宿をする事になる。
                    「纯平!ポケットから食べ物出してくれよ。?
                    ?しょうがねーなー???。?
                    そういいながら、大量の食べ物が出てくる。
                    この前拾った肉林檎、チョコレート、ジャムパン???。
                    なぜこんなに出てくるかは分からないが、
                    とりあえず助かる事にもなった。
                    子供5人はむしゃむしゃと食べ物を食べ、いつしか夜になっていった???。
                    「今日の焚き火の见张りは???。俺と纯平か???。」
                    そういってがっかりする拓也と纯平。
                    テレビの森と同じような感じになっていた。
                    残りの3人と2匹はうとうとと眠る。
                    そんな中で、源辉二と织本泉はお互いを意识しあっていた。
                    今回もたまたま隣どうしに寝る事になり、
                    ドキドキしながら寝るのであった。
                    背中合わせになり、真っ赤になった自分の颜を隠すようにして寝た。
                    その様子を纯平が一部始终见ており、かなりお怒りの様子だった。
                    「な、なんで泉ちゃんとあいつが~!!」
                    「落ちつけ纯平!!たまたまだよたまたま!!?
                    そういって、纯平は辉二に飞び挂ろうとしていたが、
                    とりあえず拓也が止めた。
                    止められた后も、ずっとうらやましそうに见ていた纯平だった。
                    「???んっ???。」
                    ドキドキがようやく収まり、寝ている泉は寝返り、辉二の方を向く。
                    辉二も同じ状况だった。
                    2人の距离はだんだんと缩まっていく。もう、キスする寸前だった。
                    「あ~~~~~~!!!!」
                    纯平の大声でみんなが目を覚ます。
                    「どうしたっていうのよもう????っ!!」
                    「どうしたんだ???って!」
                    2人は一时的に沈黙になった。
                    友树も拓也も声が出ないような感じだった。
                    「き、きゃあぁぁぁぁ!!」
                    「うわっ!!」
                    2人は我に帰り、后ずさりをした。
                    颜は真っ赤に染まっていて、ドキドキが止まらなかった。
                    「おい!辉二!纯平と交代だ。」
                    そういって、焚き火の见张り番は交代された。
                    今度は拓也と辉二となった。
                    纯平は泉に近づこうとしたが、避けられてしまった。
                    「なあ、辉二。」
                    「な、なんだ。」
                    ドキドキが収まりきれない辉二に拓也は话し挂けた。
                    「おまえ、泉のこと好きだろ?」
                    「な、なななななんでいきなりそんなことを!!」
                    赤くなって、あせってしまう辉二。
                    「なんとなくな。」
                    にっと笑って辉二の方を见た。
                    辉二があせっている様子を见て拓也は辉二が泉の事を好きだと确信していた。
                    ドキドキは止まらない。
                    心臓が破裂しそうな状况。
                    颜ももう谁にも见せられないくらい真っ赤。
                    「じゃっ!俺はこんど泉と交代だから。」
                    


                    10楼2012-08-30 19:04
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                      「えっ!?おいっ!拓也?」
                      なぜか泉という名前だけを强调させて拓也は泉を起こしに行った。
                      ちょっと収まったドキドキも再び动き始める。
                      泉も颜が赤くて、気まずそうな颜をしていた。
                      沈黙が続いた。何も喋ることなくずっと黙ったまま。
                      さっきの事を谢りたいとお互いが思っているのに、
                      ドキドキしていて何も言い出せない。
                      「さ、さっきはごめんね???。?
                      先に言い出したのは泉だった。
                      「お前だけのせいじゃない???。俺だってすまなかったな???。」
                      「わ、私ってほんと寝相悪いみたいだね。」
                      苦笑いをして泉はそういった。
                      「俺も???寝相悪いみたいだな。?
                      辉二も苦笑いをしてそういった。
                      そして、ようやくドキドキが少し収まってきたその时だった。
                      ガサガサガサ???
                      「な、何の音なの?」
                      「谁かそこにいる???。」
                      そういって辉二は音の方へ近づいてみる。
                      泉もその后についていくように行く。
                      いったい何が起こるのか、それは谁にも想像できないのだった。
                      「おい!こいつ???。」
                      「デジモン?」
                      そこにはデジモンがいた。
                      向こうは警戒して何か技を缲り出そうとしている。
                      『マジックモン。
                       谜に包まれた魔法使いのデジモン。
                       必杀技は相手を混乱させるマジックアタックが必杀技だ。』
                      「マジックアタック~!!」
                      「きゃあ!」
                      「泉っ!!」
                      辉二はその攻撃が泉のほうへ向かっていると见て、
                      泉を抱きかかえて助けた。
                      ???が、その技は结局辉二と泉に当たってしまった???。
                      「きゃあ!」
                      「うわぁ!」
                      そして二人は気を失った。
                      その间にマジックモンは逃げていくのであった???。
                      辉二と泉は无事のようで无事ではなかった。
                      「辉二!!泉!!」
                      拓也が二人を起こしている。
                      「???ん???。」
                      ようやく目が覚めた二人。
                      だが、明らかに周りの様子がおかしい。
                      拓也や友树はずっとこっちを见て固まっているし、
                      纯平はかなり怒っている。
                      なぜがほっぺたが温かい。
                      「どうしたんだよ????」
                      辉二は问いかけてみる。
                      「それはこっちのセリフ。どうしたんだよ???二人とも。」
                      「「えっ?」」
                      辉二が泉から离れようとすると????。
                      「痛っ!」
                      泉がなぜか痛いという。
                      それになぜかドキドキしている???。
                      「おいおい!もしかして???。」
                      辉二はいやな予感がした。
                      「私たち???。」
                      泉もいやな予感がした。


                      11楼2012-08-30 19:04
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                        「「魔法をかけられた!?」
                        そう、マジックモンの魔法で2人のほっぺがくっついてしまったのだ。魔法をかけられた二人。
                        二人が说明してもなかなか信じてくれない。
                        ボコモンが目を覚まし、みんなに说明すると
                        やっと信じてくれた。
                        だがそれからもいろいろ大変だった。
                        ほっぺたがくっついた二人は动きにくいし、
                        逆の方向へ歩こうとしてもそれもできず、転んでしまう。
                        纯平がすごく不机嫌なため、下手な行动はできないし、
                        拓也も友树も无言でこっちを见てきては頬を赤くしている辉二を见て笑い、
                        二人にとって最低最悪な事だった。
                        なのに???
                        何でドキドキしているんだろう???
                        こんな时でさえドキドキしている。
                        収まる事もなく、ドキドキは増している。
                        頬もすごく热くて、お互いのぬくもりも感じられる。
                        たまに当たる手が温かい。
                        本当は嬉しかったりするんじゃないかとかすかに思う。
                        「とにかく!このままじゃ駄目だ!どうにか魔法を解く方法を考えないと。?
                        拓也がそう言った。
                        「そうだそうだ!!早く魔法を解いて泉ちゃんを楽にさせてあげないと???。」
                        いつもよりも気合が入っている纯平。
                        「ねぇ、いつものあの本で调べてよ!」
                        ボコモンに调べてもらっている友树。
                        相変わらずネーモンはボーっとしている。
                        「分かったぞい!」
                        「「「「「えっ!?」」」」」
                        ボコモンがそういったと同时に5人は一斉に叫んだ。
                        「やはり、マジックモンを倒すしか方法はないぞい。」
                        「そうか???。やっぱり倒さないといけないんだな??
                        拓也が下を向いてつぶやいた?
                        「マジックモン???どこ行っちゃったんだろう???。?
                        すぐ耳元で泉がそう言う。余计にドキドキする。
                        心臓もおかしくて、息の仕方を忘れてしまいそうだ。
                        泉を意识してしまう。
                        どんどん好きになっていく???
                        そして、みんなでマジックモンを探し始める事にした。
                        木の上、草の茂み、川の近く。いろんなところを探しても、なかなか见つからない。
                        「いね~ぞ~。」
                        纯平が情けない声でそう言った。
                        「こっちもいなかったよ???。」
                        「私たちのところにもいなかったよね。?
                        「あぁ。」
                        そして、二人がお互いの颜を见合わせた时だった?
                        「「!!」」
                        お互いの何かが触れた?
                        それはとても温かかった。
                        时が止まったかのようにみんなが固まった?
                        辉二达は今の状况を忘れていたのだ?
                        「「ご、ごめんっ!」」
                        二人がそう言い、颜を赤くして目をそらした。
                        まだこれが二人ならいい?よっぽどましだ?
                        しかし、みんなが集まっていてるところでこんな事が起これば固まってしまうだろう?
                        纯平もまだ硬直していて、怒っていた。
                        辉二にとっても泉にとっても初めてのキスだった。
                        これがいくら事故でも
                        忘れられない
                        嬉しくて嬉しくて
                        仕方がない???
                        二人にこんな事があってから话すこともなくなった?
                        みんな気を使っている事がよく分かる?
                        静かな夜だった?
                        寝るときも仕方なく二人は一绪。
                        ほっぺたがくっついているくせに离れて寝れるわけがない?
                        まだ覚えてる?
                        あの时のキスの事を?
                        それを思い浮かべるたびに颜が赤くなってドキドキする?
                        泉を意识してしまう?
                        泉の颜なんか见られない。
                        もちろん拓也や友树や纯平?ボコモン、ネーモンにも。
                        どうすればいいか分からない。
                        何も考えられない???? 「辉二君。?
                        「な。なんだ?????
                        泉が话し挂けてきた?
                        お互いがギクシャクしている。会话が続かない?
                        「さ、さっきはごめんね?私が辉二君の方を向かなければよかっただけなのに????」
                        こんな风に言ったのは泉だった?
                        「俺こそゴメン??
                        お互いが谢った后、会话は途切れた?
                        ドキドキはいつまでも続く。
                        本当は止まらないほうがいいのかもしれない????
                        「ね、ねぇ???。」
                        泉が再び话し挂けてきた?
                        さっきとは様子が违う事は辉二にも伝わってきた?
                        「どうしたんだ?」
                        「あれって???もしかして???。」
                        「えっ?」
                        そして、泉が指差す方向へ注目してみる?
                        それは、自分达が必死で探していたマジックモンの姿だった?
                        「拓也!纯平!友树!マジックモンがいたぞ!!」
                        「なにっ!?」
                        辉二が起こした后、拓也?纯平?友树が飞び起きて注目した?
                        「进化するぞ!!」
                        「うん!!」
                        「いくぞ!!」
                        


                        12楼2012-08-30 19:05
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                          「「「スピリット!!エボリューション!!」」」
                          3人が进化する?
                          本当なら自分も进化するはずなのに?
                          进化はできない。
                          今、俺がやるべき事は???
                          泉を守る事进化する拓也?友树?纯平?
                          俺と泉は见てるだけ?
                          本当なら、俺も泉もあの中に混ざっているはずだった?
                          でも、今は进化すらできない。
                          ただただ见ているだけ?
                          でも、俺にはやらなければならないこともある?
                          泉を守る事
                          自分にとって特别に大切で大好きなやつだから守りたくなる?
                          进化ができないのなら、泉だけは守りたい?
                          泉だけは助かって欲しいから????
                          「バーニング?サラマンダー!」
                          アグニモンの声が闻こえてくる?
                          「カチカチコッチン!」
                          チャックモンも技を缲り出している?
                          「トールハンマー!」
                          ブリッツモンも今日はいつもより気合が入っている?
                          3つの技はマジックモンに命中し、ひるんでしまっている?
                          その时だ?
                          ほっぺたのぬくもりが消えたのは?
                          そう。ひるんだ时に、かけた魔法が解けてしまったのだ?
                          とりあえず安心したアグニモン达は、とどめの技を缲り出そうとしていた?
                          ???と、なぜか、マジックモンがこっちへ向かってくる?
                          「泉!こっちだ!」
                          俺は、泉の手を引いて、近くの茂みに隠れた?
                          やっぱりドキドキは止まらない。
                          それは、その茂みの中が狭いから?
                          俺达は様子を见ることにした?
                          アグニモン达が追いかけている?
                          「バーニング?サラマンダー!」
                          アグニモンのわざとともにマジックモンはその场に倒れこむ?
                          「汚れた悪の魂よ、このデジヴァイスが浄化する。デジコードスキャン!」
                          そして终わった? 俺达も、茂みから出て、拓也たちに合流した?
                          「よかったな!魔法解けて??
                          にっこりと拓也がそういった?
                          「ま、まあな。」
                          俺はとりあえず、适当に答えを返した?
                          嬉しいはずだ?
                          嬉しいはずだろ?
                          泉だってあんなに笑颜でいるじゃないか?
                          なのに???。
                          自分の心だけはちっとも嬉しくない?
                          もっとそばにいたかった
                          今思うのはそれだけ?
                          今もちょっとだけ早い鼓动?
                          颜も少し赤いかもしれない?
                          でも、もう、あんなにそばにいることもないだろう?
                          だって、あれはただの魔法だから?
                          それに、泉もやっぱりああいう魔法は迷惑だと思っているに违いない?
                          そう、魔法にかかって嬉しかったのは俺だけだから????
                          でも、魔法が解けても変わらない思いはたくさんある?
                          ずっとそばにいたいとか泉があんなに可爱いとか
                          俺が泉が好きだとか????
                          「辉二くん?どうしたの?」
                          「???!!」
                          突然の泉の声に、俺は惊いてしまった?
                          そう。もうみんな寝ていたのだ?
                          「あっ???ごめん。惊かせちゃったね??
                          泉は苦笑いをして、また、俺の元から离れようとしていた?
                          ???と、俺は无意识に泉の腕をつかんでいた?
                          「ど、どうしたの辉二くん?」
                          何でだろう????やっぱりドキドキは止まらない?
                          いや、止めたくないんだ?
                          ずっとずっとドキドキしたいんだ?
                          もっとそばにいて欲しいという思いが强かったから、
                          望んでなくても无意识に腕をつかんでたんだ?
                          言叶もでない?颜も赤い?鼓动も早い?
                          いつもの俺じゃない?
                          俺は泉をもう、无意识に抱きしめていた?
                          「こ、辉二くん!?」
                          泉の鼓动が早くなったことに気づく?
                          もちろん俺も?
                          もう、谁にもこのドキドキは止められない?
                          俺は、泉を离した?
                          泉は、颜を赤くして下を向いていた?
                          「い、いきなりあんな事してすまなかったな?」
                          俺は一応泉に谢り、泉から离れようと思っていた?
                          「ま、待って!」
                          泉にそう言われ、俺はその场に立ち止まった?
                          「今日は???いろいろありがとうね?さっきからお礼を言いたくって????」
                          そういって俺に微笑みかけた?
                          「さっきは抱きしめてくれてありがと。嬉しかったよ。?
                          急に泉を爱しく思った?
                          気づけば俺はキスをしていた?
                          甘い甘いキス?
                          「これからもずっと、俺のそばにいてくれないか?」
                          気づけばこんな言叶。
                          「うん。」
                          二人は微笑みあった? 止まる事のないドキドキ?
                          これからもずっと止まる事はないだろう?


                          13楼2012-08-30 19:06
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                            《kouji×izumi》
                            ただ美しいだけならば月のきれいな夜だった。风もなく、焚き火のそばにいると暖かい。泉は自分の髪を前に垂らしながら、颜を横に向けた。
                            近くに湖があったから、夜ご饭を食べた后に水浴びをした。拓也や纯平は髪が短いからあがるなりすぐに寝に行ったのだが、泉は髪が长いからすぐには乾かない。濡れたままの髪で地面に横になるのはいつまで経っても抵抗がある。だからこうして髪を乾かすために焚き火に髪をかざしているのだった。
                            泉と同じだけ髪が长い辉二もすぐに横になる気はないようだ。一番の见张りを申し出て、泉と同じように焚き火の前に座っていた。しかし彼女と违って积极的に乾かすつもりはないらしい。髪こそ束ねていなかったが、泉のように髪を火に近づけることはなかった。周囲に気を配りつつも、蓝绀の瞳はずっと炎を见つめている。
                            绮丽だな、と思う。髪を乾かす体势上颜を辉二の方に向けざるを得ないのをいいことに、泉は彼の横颜を眺めていた。かつての彼が持っていたのは、まるで笑うことを知らない人形のような硬质な美しさだった。しかし仲间として行动を共にするようになった今は、彼だって息をして会话する、そして时たま笑ってくれる人间だと知っている。暖かな色を辺りに付ける炎の光に照らされて、その白い肌も艶やかな黒髪も、血の通った人间らしい绮丽さを泉の目に映していた。
                            不意に、炎の光を照り返していた蓝绀の瞳がこちらを向いた。
                            「なにかついてるか」
                            「えっ、いや、别に」
                            长いこと见つめすぎていたらしい。慌てて视线を逸らし、彼のように炎に目をやってみる。しかしちらちらと动く炎は长く见つめているには眩しすぎた。彼の方をちらっと见ると、また炎の方を见ている。
                            「…眩しくない?火ばっかり见てると」
                            「ほかに见るものがない」
                            简洁な返事が返ってくる。初めは珍しかった満天の星空もしばらくすれば见惯れてくる。见るものがない、というのも道理だった。
                            「あ、ならにらめっこしようよ」
                            「はあ!?」
                            泉が大きな声を注意する前に自分でも非を悟ったのか、辉二はぱっと自分の口をふさいだ。抑えた声で返事をしてくる。
                            「なんでそんな…」
                            「私、髪乾かすためには辉二の方を向いてなきゃいけないの。でも私が一方通行で辉二のことばっかり见てるのもなんだし。だからほら、辉二も私の方を向いていれば円満解决。でしょ?」
                            马鹿らしいと言えば马鹿らしい提案だが、とっさに反论は出なかったらしい。ため息を一つついて、辉二は体の向きを変えた。
                            「にらめっこ、ってことは笑った方が负けなのか?」
                            「それでもいいよ」
                            その方が长引きそうだし、という下心は口に出さない。
                            「じゃあ、用意、スタート」
                            彼の瞳に视线を合わせる。その蓝绀の瞳には、炎が映り込んでゆらゆら揺れていた。先ほどは见ているのもつらいほど眩しかったのに、なぜ彼の瞳に映るといつまでも见ていたくなってしまうのだろう。本当に绮丽だ。泉は半ば魅入られたようにその瞳をのぞき込んでいた。
                            対する彼は泉のようには思えないらしい。最初のうちこそ泉とまっすぐ视线を合わせていたのだが、ふとした瞬间に视线が横へ流れていきそうになる。そんなにまじまじと他人の颜を见るような人ではないことは知っているが、微妙に视线が逸れる度に慌ててこちらを向きなおす姿は普段の彼とは少し违う。视线が泳がないように、辉二はもはや睨むような强さで泉を见ていた。その不器用な姿に泉は笑いをこらえるのに苦労し始めていた。にらめっこと言うからには笑ったら终わりだ。辉二は负けず嫌いだし、泉も特に笑いを诱うような颜をしているわけではないので彼が笑う理由はない。つまり泉が笑ったらこの空间はかき消えてしまうのだ。それは惜しい、と言うのが本音だが、普段の姿からは想像もできない不器用さをさらしている彼を前にどこまで耐えられるか定かではない。今何かあったら确実に吹く。泉は自分の表情を必死に保ちながら、彼の蓝绀の瞳を见つめていた。
                            何か、は思わぬ方向から来た。
                            「シュートおおぉ!」
                            突然闻こえた叫び声に泉はばっとそちらを向く。见ると、拓也が空に腕を突き出して吠えていた。…どうやら、すごくいい梦を见ているらしい。とりあえず野生のなにかじゃなくて安心した。デジヴァイスから手を离し、ふと视线を戻すと辉二と目があった。
                            先に笑いだしたのはどちらだろう。仲间を起こすかもしれない、とか、敌に见つかるかもしれない、とか、そういった心配は绮丽さっぱり消えていた。久しぶりに、こんなに心の底から笑っていた。辉二も辉二で珍しいほど屈托なく笑い声を出している。その笑颜に泉は自分の頬に热が上ったことを自覚した。明るい炎で误魔化されることを祈りながら、笑いも热もなかなか引かなかった。
                            ひとしきり笑った后、不意に辉二の手が泉に伸びた。彼女の髪に軽く触れていく。突然のことに目を见开いた泉に彼は言った。笑った后だからか、その表情はとても柔らかかった。
                            「もう寝ろ」
                            「え?」
                            「髪も乾いただろ。明日も早い」
                            「…うん。お休み」
                            「ああ」
                            泉はそっと焚き火のそばから离れた。彼が触ったように自分の髪に触れてみる。优しい指だった。もう暖かい火の元から离れたにも関わらず、頬はまだ热かった。ただ绮丽なだけじゃないのだ、と泉は気づいた。自分が彼に抱く感情は、それだけじゃなくて。
                            


                            14楼2012-08-30 19:07
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                              痛くないよ幼い顷、膝をひどく怪我して血が止まらなかった记忆がある。だらだらと流れる血が靴を汚さないように、靴を脱いで歩いて帰った。家に着くとできるだけ自分で手当てした。父亲が帰ってくる前に怪我をした痕迹を全て消そうと慌てていた。一人で自分という子供を育てている父亲にこれ以上迷惑はかけられないから、と。
                              人に心配されるのが嫌だったから、伤を隠した。自分の存在で迷惑をかけたくなかったから、人を远ざけた。どうせすぐにどこかへ引っ越すのに、下手に人と亲しくなって别れるときに泣くほど苦しむようなことをさせたくなかった。
                              人を远ざけて伤を隠して生きていたら、いつの间にかそれがとてもうまくなっていた。痛みなどないように、押し隠せるようになっていた。「怪我なんてしてない」
                              「嘘!」
                              泉は俺をきつく睨みつけた。腕を掴まれ袖をまくられる。まだ血がにじむ切り裂き伤に、泉の颜がゆがんだ。
                              「怪我してるじゃない!しかもまだ血が出てるし…」
                              「心配するほどじゃない」
                              「するわよ心配くらい!ねえ、なんで怪我をしたって言ってくれないの?」
                              「言ったところでどうなる。俺の怪我が治るとでも?」
                              「っ…!」
                              「俺の心配などしなくていい。それよりも自分のことを気にしろ。その方がずっと互いにとって利がある。そうだろう」
                              泉は俺の腕を掴んだままうつむいた。
                              「…嫌なの」
                              「なにが」
                              「辉二が怪我したって気づけないことが。辉二が自分の怪我を隠しちゃうのが。自分でなんでも终わらせようとして、痛くないって颜することが」
                              「痛くない」
                              「嘘よ!」
                              ばっと上げられた泉の目には涙がたまっていた。うろたえて、思わず名前を呼ぶ。
                              「いず、み」
                              「嫌なの!辉二が怪我して、でも怪我してないよって颜して谁もそばに近づけないで、本当は痛いって知ってるのに、なにもできないで怪我が治るまでじっと见てることしかできないのが嫌なのよ!」
                              「だって、迷惑だろ」
                              「なにが!?」
                              「怪我人が出たらこれからの移动に支障が出る。野営でも戦闘でも、足手まといになるだけだ」
                              「それがなに!?」
                              惊いた。
                              「…足手まといだろ?」
                              「そんなの谁だって一绪でしょう!?私だって强くはないけどずっとここにいるわ!足手まといだからって振り舍てるような人はここにはいない!」
                              「でも、嫌なんだ」
                              「なにがよ!」
                              「人に迷惑をかけることが」
                              泉は泣きそうな颜をしたまま、きつくきつく俺を睨みつけた。もうなにをすればいいのか分からなくて、俺は黙ってその颜を见返す。多分、多少は情けない颜をしていた。ここまで思っていたことを吐かされたことはない。势いに圧されたとはいえ、自分が昔から考えていたことを吐かされて、かつ否定されて、少し途方に暮れていた。
                              「辉二」
                              名前を呼び返そうとして、とっさのことに固まった。泉が、きつくきつく抱きついてきていた。
                              「い、ずみ…?」
                              「迷惑?」
                              耳元で呟かれた疑问。普段なら突き放しているのに、なぜか动けなくて、ぎこちなく首を横に振った。
                              「自分じゃ迷惑かなって思っていることを、そのまま他の人も迷惑だって思っているわけじゃないのよ」
                              「わ、かった…」
                              「分かった?」
                              「分かったから早く离れろ…」
                              最后に一度腕に力を込めてから、泉は身を离した。こちらを见て、得意げに笑う。
                              「辉二、颜真っ赤」
                              「血が止まらなくなったらどうするんだ…」
                              「そのときはずっとそばにいてずっと手当してあげるわ。…いい?私はそんなことをしてもいいって思ってる。本気よ?全然、迷惑だとか思ってない。私だけじゃない、皆もね」
                              「…分かった」
                              「本当に?」
                              「分かった、から」
                              口ごもる自分を叱咤し、泉を见てどうにか口を动かす。
                              「伤の手当て、頼んでいいか…?」
                              瞬间、泉は花が咲いたように笑った。
                              「もちろん!」
                              なんでだろう。最初にうずいていたのは伤口だけだったのに、今は体中が热い。心臓の音がうるさくて、泉にも闻こえているんじゃないかってくらい。心拍数が上がって、伤开いたりとか逆に悪化しそうだ。それでもいいのかな、と思えるのはたぶん泉のおかげだけど、それでも泉がいるからいいかな、と思っているのは、たぶん戦闘でどこか头をやられたからに违いない。痛くないよ
                              (今は、もう)
                              


                              15楼2012-08-30 19:08
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