——その一発の铳声が、帝国の运命を変えた。
鉄血宰相、ギリアス・オズボーンの狙撃に端を発する《贵族连合》による帝都ヘイムダルの占领——
そして出现する巨大飞行戦舰《パンタグリュエル》と、《机甲兵》と呼ばれる机械仕挂けの人型兵器の大部队によって帝国内の势力図は完全に変わり、全土を巻き込む内戦が始まった。
圧倒的な物量と新兵器で制圧する贵族连合军。
高い练度の兵士と机甲师団で食い下がる帝国正规军。
巨大帝国エレボニアで始まった内戦は、予想よりも遥かに激甚となり、いつ终わるとも知れぬ予感に人々は戦栗(おののき)き、无力さに打ちひしがれるのだった。
そんな中——
トールズ士官学院、特科クラス《VII组》に所属するリィン・シュバルツァーは、荒凉とした山岳地帯で目覚める。
傍らには人语を喋る黒猫、そして灰色の巨大な“骑士”がおり……
《VII组》の级友たち——共に数多の试练を潜り抜けた挂け替えのない仲间たちの姿はどこにも见当たらなかった。
——意识が途切れる前に闻いた、仲间たちの别れの言叶と、自分自身の恸哭と绝叫……
迫り来る苍い影と、绝望的な戦いの始まった地上の光景が、リィンの脳裏に残酷なほど鲜やかに浮かび上がる。
「……みんなは无事なのか……」
「とにかく学院に戻らないと——!」
黒猫の制止を振りきり、灰色の巨大な影を无视するように覚束ない足取りで山岳地帯を下り始めるリィン。
それが——激动の日々と、全ての终わりの始まりだった。