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先輩が急にご飯を食べに行こう、というので理解が追いつかなくて数度瞬きをしてしまった。
「一係でまた何かするんですか?」
呆れたような顔を見せる。もうほとんどポーズ、わざと作っているようなものなのだけどこの人の前ではうまく感情を表せない。いつもこうだ。自分がコンプレックスを抱いていることの象徴のようであまり好きになれないわたし。
「ううん、二人で。この前の事件の解決祝い、ちゃんとしたいなって」
先日、青森で起こった潜在犯隔離施設での出来事だろう。
確かにあれは大きな事件といってよかった。
しかし行きで使用したティルトローダー機は大きな亀裂に飲み込まれており、朱たちが助けに来なければサイコハザートに巻き込まれて命を落としていたかもしれなかった。
だから、結局この人にまた助けられてしまった。わたしの事件だ、と意気込んだけれど一人でなんとかすることはできなかった。
けれど、最近はこの人の手を借りたり、手を差し伸べられることにあまり嫌悪を感じていないのも事実だった。
認められたい、と思う。
朱より優れていると、わかってほしいと思う。
けれど4年間共に働いて、この人のひどくいびつな本質に霜月は気づき始めている。
それはけして華やかなばかりではないのだ。
「別に、構わないですけど」
その後、ティルトローダー機の破壊が宜野座の手によるものだということが後に発覚したので、もちろん始末書の提出を命じた。
「先輩……」
「美佳ちゃん着替え終わった?」
「終わりました、けど」
「あけるね」
「ちょ、ちょっとまって……!」
朱の眼前にさらされるのが気恥ずかしくて、そっぽを向いた。
白のドレスワンピース。くびもとから鎖骨にかけて繊細なレースでしつられた襟ぐりになっている。身長が160cmの美佳のちょうど膝のあたりが裾で、ふわりとしたシフォンの素材が動くたびに揺れた。ぴったりとした袖はこちらも繊細なレース仕立て。美佳のほっそりとした腕のラインがわかる。
ひと目で高級なものだとわかる。
ホロコスじゃない。本物の服。
「似合ってるよ、すごく」
朱はその姿を見てにっこりと微笑んだ。
「だって、こんなの」
「お給料、なかなか使い途ないからね。よかったぴったりで、すごくかわいい」
そんなの、私だって同じだ。休日にストレスケアを行ったり、色相浄化プログラムを受けたり、その程度だから貯まっていく。桜霜学園は令嬢の多い学園だった。その例に漏れず、美佳の家もお金には困っていない。
「お店予約してあるの、いこう」
朱はレモンイエローの長袖ワンピースにシャンパンゴールドのクラッチバッグを持っている。細身でやや幼くみえる甘い顔立ちによく似合う色合い。
美佳だって人並みにおしゃれはする。
けれどこんなふうに、エスコートされるのが前提なヒールを履いて出かけることはない。
朱の運転で店まで向かう。東京のきらびやかな装飾を横目に見ながら、美佳は所在なさを隠して店までの道程をすごした。
朱につれていかれたのはカンパーニュという名前のリストランテ。
天然食材を使った本物の料理を提供する、しかも味は絶品だということで予約がとれないことで有名な店だ。
入った当初、美佳の歓迎会をやろうというので予約をとろうとしたらしいが無理だったとのことだった。あの頃はそんなこと望んでもいなかったから、気にすることはなかったけど。
「ここ」
「たまたま予約がとれたの。ラッキーだったな」
中に入り、給仕ドローンではない本物の人間にエスコートされ、階段をのぼる。
案内されたのはテラス席だ。
座ると、夜風が少し吹いていた。冬を抜けたやわらかい風だ。
「もう春になるね。お祝いには、ちょっと……かなり遅くなっちゃったけど」
この街では、四季の変化はホログラムの変化だ。厚生省本部であり、電波塔の役目も果たすノナタワーからホログラムの配信が行われている。
朱は慣れた手付きで注文をしている。お祝い、とは言っても美佳の好みを聞く気はないらしい。
焼き茄子のマリネ、アボカドと鮪の和え物、オイルサーディンのチーズ焼き。それからどこかの国の煮込み料理だというもの。デザートはアップルパイ。
先輩はごく自然にメディカルトリップではないアルコールも頼む。シャンパン。美佳は飲まないので炭酸水にする。
「それじゃ、おつかれさま」
「はい」
カチン、とガラスのぶつかる硬質な音がした。口をつけると、炭酸が口の中ではじけた。朱の手元でもキャンドルのあかりを受けて透きとおる液体の中に小さな気泡がぷちぷちと浮かび上がっては消えている。
「昔ね、料理が得意な子がいて、よく天然食材の料理をご馳走になってたの。ここもその子に連れてきてもらったんだ」
「それって、狡噛元執行官?」
「まさか!あの人はそういうの、全然だったよ」
じゃあ、だれ。
口には出せなくて飲み込んだ。
聞けばいい。誰ですかそれ。
でも言葉は出てこなかった。いつもみたいに聞いたらいいの。ただそれだけなのに。
「おいしい?」
「はい…………、まあ、悪くはないです」
運ばれてきた料理は、どれもみな美味しかった。ハイパーオーツ加工食品以外のものを口にしたことがなかった美佳には新鮮だ。
特に魚は、本物というのはこんなにおいしいものなのか、と驚いた。でもそれをわざわざ口に出すことはしない。きっとこの人にはわかっているんだろうから。
「そう」
私のことそんな目で見ないでよ。
私はあなたにそんな視線かえせない。
いつからだろう。この人の視線に、「わたし」を見る目に慈愛を感じるようになったのは。4年もたつのに、随分最近のように思う。
高等教育過程なら、最終年度の計算。
美佳は高等教育過程を2年で卒業している。
だから他の人間と同じ時間軸の中から時折はずれてしまったような気もする。
朱はグラスに入ったシャンパンを飲み干した。そんなペースで飲んで大丈夫なのだろうか?この人の色相のクリアさは知っているけれど、煙草や酒など依存性の高いものに手を出すのはどうかと思う。心配しているわけではないが、実質、一係の中心はこの人だ。
それは美佳だって、内心はどうであれ心得ている。
朱はふにゃり、と微笑んでいきなり美佳の髪にふれてきた。今日はシュシュでくくった髪をおろしている。
「美佳ちゃんの髪って綺麗だよね。長いのにちゃんと手入れされてて」
「昔から、長いんです」
「そうなんだ。私、少し髪伸ばしてても男の子に間違われたりしてたの。ひどいよね」
朱はボーイッシュな見た目だが、オトコには見えない。美佳は自身の恋愛傾向について考えることはそう多くないが、男より女の方が好きなのだろうな、とは思う。第一、自分の生きてきた周囲には桜霜学園の教師か、今は監視官と執行官と潜在犯くらいしかいなかった。相性診断で出会った人間と出会う暇などもあるはずもない。桜霜学園はパッケージングされた「淑女」を出荷する場所だ。
そんな場所にいた美佳が、男に対する一種の忌避感があるのは当然と言えた。
朱が耳元でくるくると髪をいじったり、そのまま髪を耳にかけたりするので落ち着かない。酔っ払いって、面倒。
「別に、男になんか見えませんよ。その人見る目なかったんじゃないですか」
「あはは、ありがとう」
「別に褒めてません」
はにかんだように笑う先輩の姿は、年相応に見える。いつもはかなり年上に見えるほど常に気を張っている。そういうところ、認めたくはないけれど美佳と似ているのかもしれない。
「こんばんは、常守さん。来てくださってありがとうございます。いかがですか?」
少しだけ歓談、のようなものをしていると女性が話しかけてきた。服装からシェフだとわかる。
「すごくおいしいです。お弁当も、忙しいのにいつもありがとうございます」
「常守さんはうちのお得意さんですから。それに縢くんのレシピ、今でもすごく役に立ってますし」
「これからもよろしくお願いします。縢くんも、すごく喜ぶと思うから」
縢。通称ヘルメット事件の捜査中に逃亡したとされる、当時の一係執行官だったはずだ。
わかる限りのことは調べてある。あの事件は比較的閲覧権限に制限がなかった。
槙島事件の多くは機密ファイルとして監視官権限でも閲覧できない資料が多い。
特に狡噛慎也に関しては秘匿されすぎていて霜月にはわからないことばかりだ。
朱や宜野座が隠すようにして、身を寄せ合うようにして抱えるもの。霜月は何も知らない。誰も教えてくれないし、しらべてもわからないし、きいても答えてくれない。
お前は知るな仲間じゃないのだからと突きつけられているようで嫌だった。
「そちらは、ご友人?」
「同僚です」
美佳は即答する。友人だなんて、そんなふうに見えるのか。
「デザートまで、楽しんでいってくださいね」
「ええ、最後までおいしくいただきます」
美佳に変わって朱が答えた。
「それじゃ、私は厨房に戻ります。常守さん、また」
「はい、お仕事がんばってください」
空気が変わるのを感じた。美佳の心もまた、冷めていた。
デザートまでたいらげて、ごちそうさまです、と形式上のお礼を述べる。
今日はなんだか変だったけれど明日からはまたいつも通りの二人に戻る。
「美佳ちゃん」
「はい」
「うちに寄っていかない?」
酔っているのだ、と思った。でも美佳はどうしてかそれにはいと答えてしまった。
運転してきた車はドローンに任せて、家まで運んでもらう手配をしながら朱は無人タクシーを呼んだ。
後部座席に二人で乗り込むと、朱にそっと手を握られた。それを引き剥がすこともしなかった。華奢で、細くて、女の子のもので、どうしてこの人がずっと一係を率いていられるのか不思議なほど小さかった。
朱の家に入るなり、手を引かれて大きなソファに押し倒された。酔っているんだ。
昔で言うところの犬に噛まれるようなもの。
唇が触れると吐息があつく、ぬるついた舌が入り込んできた。
もつれるように綺麗なドレスを脱ぎ捨てて、ふたりはまぐわいあった。先ほど小さく感じた指が、美佳の中に入ってきて縦横無尽にかきまわされ、何度も絶頂に達するという経験を味わわされた。
体をあわせるというのは濃密で、生々しくて、なんだかひどく怖かった。
水がほしい、と起き上がってこの家にホームセレクタリAIのアバターがないことに気づく。ホロも使われていない。朱らしいな、と思う。鹿矛囲事件があってしばらくしてから、引っ越したことも知っていた。
少し迷ったが、冷蔵庫から水のボトルを拝借した。後で貰ったと言えばいいだろう。
喉が痛い。美佳は自分の嬌声を初めて聞いた。
下着だけ身につけた姿でキッチンに立っていると、朱も起きてきた。
「水、貰いました」
「あ、うん。体大丈夫」
「べつに……たいしたことありません」
「初めてだった?」
「そういうの、デリカシーないですよ」
「あ、ごめんね」
朱も同じく水を取り出して飲み始めた。
少しの間、沈黙がおりた。
「先輩、他の子のこと見てたんじゃないんですか」
「そんなことないよ」
「わかりますよ、バカにしないで」
険のある声が出た。朱は少しだけまなじりを下げて、子犬のような顔をした。
「本当に、かわりにしようなんて思ってないけど……好きな子はいた。ううん、好きだって自覚するまでに時間がかかったから自分でもわかったのはしばらく経ってからだったけど」
「やっぱり、そうなんじゃないですか……」
「違うよ、美佳ちゃんは……、また別なところにあるから」
「……そういうの、嫌です」
「ごめん、でもあの子は」
朱が風景の奥の遠く、遠く、思い出の中にしかない場所を見ているのがわかった。
たまに美佳も、そこにいない友人のことを思い出すことがある。遠く、記憶にしかない場所を。
「今はもうどこにもいない子だから」
朱は記憶を振り払うように、こちらを見て笑った。下手な笑顔だ、と思った。
執行官の、人事ファイル。
遺棄されていないものがまだある。
逃亡執行官の縢とかいう潜在犯がそこにはうつっている。
明るい髪色に、猫のように輝く金色に近い瞳。不敵に吊り上げられた口の端。だらしない着こなしの


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