秋の訪れは日本よりも大分早く、日ごと少しずっ冷たく、なっていく空気を肌で感じながら、この国で迎えた三度目の夏を見送る。
そんな風に過ごしていた夏の終わりの日のこと。僕と教え子のハティは、アマルさんの家を訪れた。 玄関脇のボタンを押せば、遠くの方でキンコンとベルが鳴る。しばらく待てば、軽快にドアが開いて家の主がいつもの明るい顔を見せた。
「やあ、コウタ、ハティ。いらっしゃい」
「こんにちは、アマルさん」
「お邪魔します」
軽く挨拶を交わし合って、僕とハティは扉をくぐる。この家を離れてもう半年以上になるものの、「教育係」の所用やらで定期的に訪問していたから、懐かしいという感じはしない。むしろ「勝手知ったる」という感覚だった。
「あっ、いらっしゃーい」
アマルさんに連れられてリビングへ入ると、リンが満面の笑みで出迎えてくれた。変わることのない朗らかな笑顔に、ほっとした心地になる。
隣のハティも、明るい声音で挨拶を返した。
「えへヘー、今日は楽しんでってね! ブレゼントにおいしいごちそう、用意したからね! ハチ君の好きなシャケのお料理もいっぱいだよ」
「ありがとう、嬉しいょ」
揚々と話すリンに、ハティはやわらかい笑みを向ける。
そんな風に過ごしていた夏の終わりの日のこと。僕と教え子のハティは、アマルさんの家を訪れた。 玄関脇のボタンを押せば、遠くの方でキンコンとベルが鳴る。しばらく待てば、軽快にドアが開いて家の主がいつもの明るい顔を見せた。
「やあ、コウタ、ハティ。いらっしゃい」
「こんにちは、アマルさん」
「お邪魔します」
軽く挨拶を交わし合って、僕とハティは扉をくぐる。この家を離れてもう半年以上になるものの、「教育係」の所用やらで定期的に訪問していたから、懐かしいという感じはしない。むしろ「勝手知ったる」という感覚だった。
「あっ、いらっしゃーい」
アマルさんに連れられてリビングへ入ると、リンが満面の笑みで出迎えてくれた。変わることのない朗らかな笑顔に、ほっとした心地になる。
隣のハティも、明るい声音で挨拶を返した。
「えへヘー、今日は楽しんでってね! ブレゼントにおいしいごちそう、用意したからね! ハチ君の好きなシャケのお料理もいっぱいだよ」
「ありがとう、嬉しいょ」
揚々と話すリンに、ハティはやわらかい笑みを向ける。